7月2日(日)豊田市能楽堂において女性能楽師による「蝉丸」の公演があります。
このチラシに「女流能」という言葉が使われていますがそれに対し、私の思うところをこの場に書かせていただきます。
豊田市能楽堂としては、今回初めての女性能楽師の公演だそうで有り難い事、と思うと同時に「女流能」という枠組みはまったく必要ないと思う私です。
だいたいそのようなものは過去、現在、未来にも存在していないのです。
あくまでも能「蝉丸」がもしかしたらそれらのことに依って、それが最大限に生かされ、ご覧下さっている方々にいかに良い印象を残すかが、あるべき姿なのだと思っています。
舞台に立つ人間も、ご覧下さっているお客様も同じ空間で息をし、ともにその ”時” を共有する、それがお互いに無駄にならぬこと、そこが一番大事だと思うのです。
男がやろうと女がやろうと、それは全く関係にないことと私は考えます。
以前、このメンバー(地謡の編成は若干異なりますが)で、山村庸子氏の主宰なさる会でいたしました。その再演でもあります。せっかくのチャンスです。がんばって皆で勤めたいと思います。遠路ですが、お出かけいただければ幸いです。