2月26日(日)に逗子文化プラザホールにて今年も能狂言公演があり、その午前中に銕仙会の柴田稔さんが逗子プラザで教えている「逗子こども能」の子供達の仕舞、謡の発表会がありました。
これには、私が教えている川崎の子供達も毎年友情出演として参加しています。
今年は、総勢20人の「川崎こども能」の子供達が出演しました。今回が初舞台という子供も数人いました。
夏の川崎能楽堂における発表会には、逗子の子供達が友情出演するというお互いに年2回の交流があります。
延べ60人近い子供達に着物、袴を着付けるのは大変で楽屋はてんやわんやでした。
60人近い子供達が皆、この古典演劇である能を稽古ごととして続けていってくれたら、どんなに嬉しく有り難いことでしょう。
これから大人になって、彼らが身体と声を使って身につけた日本の大切な文化芸術を、今度は自己紹介として外国の人々に語れるよう、育ってほしいと思います。
そのためにも、子供達が知らず知らずに形を身につけることの大切さを、身体で掴んでいっていることがいかに大事なことか。
子供の時に
「形とはこういうものであって、それ以外にない、それが型というものなのだ、型を身につけることによって、自分の発想は自由になれる」
ということを無意識のうちに身体で覚えて欲しいと思います。
学校では「自由に考えなさい、自分で気づきなさい」と言いますが、ある方便、方法、形を提示することも大事だと思うのです。
形を与えることによって、安心してそこに身を預け、自由な発想も可能になるのではないでしょうか。
日本人は形から入る良さを持った民族なのではないかと、今回、子供達の仕舞いを見る間につくづく思いました。